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旅行犬展、インスタレーション (2005)
ブルンスビュッテル市立ギャラリー・エルベフォールム(ドイツ)

旅行犬展
 1995年、日本人アーティスト畑洋子はアーティストグループGUP-pyを結成したということである。GUP-pyのブランドの下には、GUP-py Design、GUP-py Filmといった部署が設けられ、GUP-py専門誌「ARTGUP」さえ刊行されている。ブルンスビュッテルでの展覧会で発表されるGUP-pyの作品「旅行犬展」では、鑑賞者は自分探しの旅へと招待される。展覧会場の壁に描かれた、シンプルで図形的なドローイング絵画と、現実の絵画 --- すなわち描かれた幻想 --- と立体作品は、互いに作用し合い、見かけと実存との間の境界線を曖昧にする。インスタレーション作品の中核をなすのは小型モニターに映されたビデオ「旅行犬」であり、インスタレーションを構成する各要素を結び付ける役目を果たす。ビデオのストーリーは四章からなり、「旅行の前の旅行犬」から始まり、「旅行犬を連れて目的のない旅に出る」へ、そして最終章「旅行の後の旅行犬」と続く。ドローイング、アニメーション、実写映像、文字、サウンドといった多様な表現手段が交錯する中で、この、私たちの誰もの中にいる目に見えない「何か」についての物語が紡ぎだされる。日常生活の中で私たちが人生の目的を見失うと、旅行犬が現れ、旅行熱を生じさせる。旅がどこまで続こうとも、旅行犬は私たちに付き添ってくれる。空気穴さえ与えてやれば、旅行犬はどんな場所にも収まることができる。ところが旅行者が目的地にたどり着いた途端、犬は逃げ去ってしまう。しかしこれにも意味がある。旅行犬を探すうちに、旅行者は自分の軌跡、ひいては自分自身を発見することになるからだ。


作品解説
 旅行犬は目には見えないが、どの家にでも住んでいる。普段は生活空間にひっそり隠れ住んでおり、飼い主は犬の存在に気付かずにいるが、犬は時折飼い主の心にうったえかけ、旅行へと駆り立てる。旅行先で飼い主は自分自身と向きあう時間を持ち、日常生活から自分を解放することができる。旅行犬の存在を視覚的に示唆する唯一のものは、カバンや壁や室内調度品といった、様々なモノの表面にある、旅行犬用の空気穴である。空気穴は中を黒く塗った円として表現され、ビデオ・ドローイング・インスタレーションにて旅行犬の存在を示す手がかりとして機能する。円という極めて単純な図形によって私たちの想像力はかきたてられ、旅行犬の命を呼び起こす。
 インスタレーション作品「旅行犬展」では、生活空間の代わりに展覧会空間に旅行犬を住まわせた。インスタレーションを輪郭づける、壁に等身大で描いたドローイングは、旅行犬が潜む展覧会空間を表現する。ドローイングに混じって立体物が展示空間に配置され、ドローイングと立体が合わさって一つの「展覧会」の絵を構成する。壁に掛かった絵数点のうち幾つかは額の輪郭だけを描いたドローイングであり、別の幾つかは実際の額縁に入ったドローイング作品である。展覧会の解説テキストや、展覧会の監視係が座るイスも壁に描かれたドローイングであり、実際の展覧会と、作品としての展覧会のイメージが一つの空間に二重に重なる。

文:ジルケ・アイカーマン=モーゼベルク


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