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ハニーシティ・プロモーションビデオ Honey City Promotion Video
2000年 08' 33''、カラー、ステレオ、言語:日本語 コンセプト・編集・グラフィック:GUP-py 作品解説 大都市郊外に位置する街ハニーシティの見どころは、その夜景です。街のアパートの窓という窓がはちみつ色に輝き、街全体が巨大なイルミネーションと化します。 ハニーシティの住人は大都市で毎日働くことからくるストレスのため疲労しているのですが、夕方仕事が終わって帰宅すると、部屋の明かりを消してテレビをつけます。テレビで見ることができるのはGUP-pyの番組で、はちみつの様々な色調が延々と放映されます。この芸術と光によるセラピーにより、人々はストレスを解消することができるのです。街中の全てのアパートでこの番組が鑑賞されるため街がはちみつ色の光を放つというわけです。ビデオ「ハニーシティ ? 理想の街のビジョン」ではこの街の夜景をご覧になれます。 ビデオテキスト 1 はちみつの街「ハニーシティ」へ、ようこそ! 都市成長と人口増加に伴い次々に建てられる高層ビルの一室で暮らす生活は息の詰まるものです。そんな暮らしに別れを告げて、あなたも理想の町ハニーシティ(Honey City)の住人になりませんか? 日中の雑踏やストレスから解放された後、せめて自宅でぐらい自分の時間を取り戻そうではありませんか。 ハニーシティではそれが可能です。交通の便も良いこの町は、昼間は普通のベッドタウンと何ら変わりがありませんが、夜になるとハニーシティは文化の街へと早変わりします。なんと街中の全ての住宅のテレビで、芸術性の高さで名高い、あの名短編映画プログラム「ムービングハニー(Moving Honey)」をお楽しみいただけるのです。ただテレビのスイッチを入れるだけで、あなたは蜂蜜色の光織りなす幻想的な世界を堪能し、明日に向けての滋養を得ることができるのです。 2 昼間の街は窒息寸前だった。私の滞在していた高層アパートビルの窓からは、似たようなビルが延々と山際まで建ち並んでいるのが見え、都市の縁、山と都市との境い目には、頭のてっぺんにまだクレーンを乗っけたままの建ちかけのビルがひしめいていた。 そんなに都市は膨張したいのだろうか。 そんなに人は増えたいのだろうか。 この土地では亜熱帯植物も都会の中でなお青々と繁っており、都市の生命力の象徴であるかのように思えた。蒸し暑い街中を一日中歩きまわった後、屋台のよく冷えたマンゴジュースやココナツジュースを飲むと、不思議と疲れがとれるのだった。 陽が沈んでしばらく経った頃だろうか、何気なく窓の外に目をやった私は思わず息を呑んだ。 そこにあったのはまるで別世界だった。 夜の街ははちみつ色に輝いていた。町中のアパートの窓という窓がオレンジ色の光を放っており、しばらくするとそれが一斉に赤に変わり、かと思うと町全体が白く光ったり、また暗くなったり、ということを限りなく繰り返していた。隣接するビルの窓を覗き込むと、カーテンの掛かっていない窓の向こう側にテレビが見えた。はちみつ色の正体はこいつだった。 私も隣人にならって部屋の灯りを消しテレビのスイッチを入れた。 3 部屋を暗くして下さい。 暗闇の中で部屋は、あなたの記憶にある形状から解き放たれ、あなたはある特定の部屋ではなく、ある一個の暗い空間にたたずむあなた自身の姿を見出だすでしょう。そうしたらテレビのスイッチをお入れ下さい。テレビの画面は蜂蜜色の光を放ち、画面上には短編映画シリーズ「ムービングハニー」(Moving Honey)が連続上映されます。これであなたのお部屋は映画館と化すのです。このムービングハニーとは、ハニーシティの定番テレビ番組です。「ムービングハニー」は、現代美術の展覧会を短編映画という形で一般家庭でも効率よく鑑賞できるようにと考案された画期的なシステムです。作品のタイトルと作品の抜粋シーンから成る作品の予告編がテレビ画面上に出てから5秒後には既に、作品そのもの、すなわち短編映画という形での展覧会がテレビ画面上に放映されます。展覧会の長さはたったの5秒で、その後すぐに次の展覧会の予告編がこれに続きます。これで展覧会場にわざわざ足を運んだり展覧会の情報集めをするといった手間が省け、あなたの貴重なお時間を節約することができるのです。 |
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