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旅行犬パーティ、インスタレーション (2010)
展覧会「Vierer-Variationen」、ザールブリュッケン市アートセンター(ドイツ)

作品解説
ビデオ作品「空から、そしてまた空へ」の第2章を空間インスタレーション化。

 世界中から集まって来た旅行犬カバンたちが、空港の荷物コンベア上で輪になって踊る。映像では、ビートのきいた音楽にのって色とりどりの国旗をあしらった旅行犬カバンが流れて行く。インスタレーションはしかし、工場のベルトコンベアが休憩中に停止しているかのごとく、時間がとまったかのように整然としている。笑い声、ざわめき、食器やグラスの音、食事の匂いなど、パーティのにぎやかさは、観る人の想像力で補われる。
 映像に見られる、2次元と3次元の間の境をあいまいにしたような騙し絵的な効果は、インスタレーションでは更に威力を増し、壁の穴から出てきたカバンを乗せた黒い帯状のコンベアの壁画が細長い空間の壁を横切って、壁から床に降りてきて、反対方向に床を伸びていくのだが、床の上のコンベアの上に乗っているのは壁画のカバンではなく、立体のカバンである。空港の1点である荷物コンベアが地球規模の大循環の中心となり、実際の動きは目には見えないけれども、展覧会場の壁に描かれた荷物コンベアの出入り口である穴の向こうには、「外」の世界が無限に広がっている。
 隣接する展示室では、同ビデオ第3章を空間インスタレーションとして表現している(作品「Welcome」)。

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